漢方薬を飲んだと思い、気長にお待ちください

健康志向の折、SUPPLEMENTや健康飲料ばやりで、毎日CMを見ない日はない。それだけ需要があり売れているのだろう。最初、中小の会社のCMが目立ったが、最大手の企業も参入して、消費者は惑うばかりである。特に、定価(希望価格?)より、かなり安い価格で、今から三十分以内で幾らいくら、〜人限定、更に何々を付ける等、際限のない競合を続けている。しかも、それだけで効能が出るなどあり得ないことを、販売側も消費者側も知っているのである。こんな茶番劇は、いい加減に止めてほしいと願っている。せめて、嘘っぽいCMの代わりに、一定の人が一定の期間、こんな使用法でこうなった等、正確で信頼出来るDATA を提示されたら、託してみようと思い、我慢して使い続ける事になるだろう。今のままでは、横並びであり、やがて、誰も信用しなくなる。一歩抜け出してほしい。

そう言う自分も、安くない養毛剤を二種類、使い続け、効果なく、断念した。健康サプリも試したが、同様。その養毛剤は、十数年経った今でも、何と数分の一の価格で、恥ずかしげもなく、堂々宣伝、販売している。43年前まで勤めた会社では、業界新聞を発刊していた。在職12年のうち、7年は営業職にあり、主に広告収入で会社が運営されていた。宣伝効果は、広告媒体により様々である。発行部数と如何に読者等に浸透しているかにより、費用対効果が違う。発行部数と真の読者も少なく、悪戦苦闘していたことを思い出す。その際、SPONSOR さんに「広告の効果は、すぐに出るものではないので、漢方薬を飲んだと思って、気長にお待ち下さい」等と言い訳した。その後、いつまで待ったら効果が出るの?等言われ当惑したが、時代と気のいいSPONSOR さんに救われ、相手の話しを熱心に聴くなどして、取引関係を継続出来たことがあった。

事業者側は、商品なりSERVICEを提供して、対価をいただき、等価値もしくはそれ以上の評価をいただき、満足していただければ、社会性に鑑み我が存在意義を認識出来る。自分も消費者の一人として、そんな商品なりSERVICE を求めるのは、当然である。両者の関係が、表裏一体とまでいかなくても、せめて 不即不離の関係でも保てれば、関係性は良好と言えよう。自分は商品価値を求められ、期待もする双方の立場がわかる。しかも、私たちが、生活必需品でない趣味の絵画を扱っているGALLERY にも関わらず、存在できるのは、ひとえに、お客様の理解と信頼の上に成り立っている。然るに、ひるむ事なく、その負託に応え、作品として価値を継承していく社会的責任も痛感している。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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