会津ソースカツ丼とカツ丼(煮込み)事情

同じ日に、遠来の客が二組、会津に来ることになった。我々夫婦と四人。それぞれソースカツ丼と煮込みカツ丼が食べたいと言う。二週間程しか時間がない。ご当地のソースカツ丼だけならお勧めのところもあるが、両方、美味しいとなるとHURDLEが高い。

一般的にカツ丼と言えば煮込みカツ丼のことで、甘じょっぱい出汁でとんかつを煮込み、卵を溶かしこみ、包み込んだものを丼ご飯にのせ、適度なつゆをかけたものが定番である。東京暮らしも長く、時々カツ丼を食べていたが、自分が勤めをした20代から30代にかけては、まだ」世の中が豊かでなかったし、VARIATION も少なく、昼飯には、比較的安価なそば、焼きそば、ラーメン、たんめん、カレーライス、炒飯、野菜炒め定食などを食べていた。

ソースカツ丼は、会津で知ることになったが、これ又美味しい。各店独自の濃厚なSAUCEにカツをくぐらせ、ご飯の上にのせるのだが、ご飯との緩衝地帯にCABBAGE が大事である。申し訳程度に入っているものもあるが、その質とある程度の量が、旨さを演出するのに必要である。

いよいよ調査開始。一軒目のソースカツ丼は、肉厚が邪魔してSAUCEとカツ両者が融合していない。量とBALANCEの問題である。
二軒目の煮込みカツ丼は、味が薄く、甘すぎて、降参。
三軒目、人気の店であるが、両方とも、くせが気になる。
四軒目、比較的新しい店で、駐車場も広く、期待大であったが、そばSET のソースカツ丼はタレがしょっぱい。お代わり自由、お持ち帰り出来ますの張り紙。観光客の来るAREAでもないのに券売機で買わせ、上げ下げを客がする。厨房には、七人もいて何をするのだろうか。勘違いしているとしか思えない。
五軒目、河内屋。そばSETのソースカツ丼、手打ち蕎麦どちらも美味しい。一過性の観光客しか来ないのは、勿体無い。しかし今回は、SAUCE 派と煮込み派同時なので、適さない。
六軒目。両方とも大味で、不適。
七軒目、そば処和田。煮込みソースカツ丼は、両方の特徴を取り入れ、両派を満足させられる。
八軒目、ソースカツ丼のタレに工夫がない。普通のSOURCEにくぐらしただけで、CABAGEも雑。煮込みもへ平板。
九軒目、牛乳屋。ソースカツ丼、煮込みカツ丼共に美味しく、更にラーメンもお勧め。人気店であるが、額面通りなのはさすが。もう限界に近づき、2キロ程目方が増えたと妻が悲鳴をあげる。自分もメタボ気味で、更にポンポコリンになる。
十軒目、いとう食堂。知人から行ってみたいと連絡があった。11月に閉店になるそうだ。結果、大正解。皆を満足させたのは言うまでもない。きっと幻の名店として、語られることだろう。
以前行った「しおえ」のソースカツ丼もザ、ソースカツ丼の味。甘じょっぱさに多少の酸味があり、味のBALANCEも絶妙。

因みに東京と地方都市、どちらが商売がやりやすいだろうか。地方都市と言っても人口規模もあり、一括りには出来ないが、食事を提供する店に関しては、地方の方が、やりやすいのではないだろうか。難条件があるのにも関わらず、大勝負を賭けた場合は別の話だが。競争の激しい東京では、全国区のMENUに関して、一定のLEVELに逹していないと、通用しないと思う。ファミレスがひしめいており、小規模店の数も多く、脱落するのが早い。然るに、地方の街では、情実、義理、GIVE-AND-TAKE、囲い込み等が有効で、人口比特定種類の店も数が少なく、何とかやっていけるのだろう。

地方の時代が叫ばれて久しい。格差も厳然としてあるが、通信、IT を駆使し、映像を楽しみ、情報、技術等を入手し、更にAIまで活用できる。教育の平準化もはかられ、全国共通の基盤は、出来つつある。それぞれの良さもあり、真似っこをしてもしょうがないが、手近なところで、生活の利便性、衣食、娯楽の充実の為、小売店の存在が欠かせない。飲食店にしても、ご当地の名物を出している店は「うちは、この味でずーっとやってきてる。口の合わない客は来なくていい」と思っているのではないだろうか。地元、他処の客双方とも口が肥えてきている。お勧めの品目で勝負し、全国区の味も抑えておけば、日本に、世界に発信できる。

地方は、自然には 恵まれ、時間が作れるし、有意義に過ごせる。大都市などと比較すると、余分なもの?がないだけ、生活費もかからない。可処分所得が少なくても、車も持ち、持ち家も所有できるし、職の問題さえCLEARできれば、居住環境も整い、快適に暮らせる。商売によっては、地方創生の一翼を担うこともできる。都会の行き過ぎを改め、地方が足らないところを補い独自性を発揮すれば、自治体同士の切磋琢磨により活気ある日本を取り戻すことも可能だと思う。

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