極上の会津とは?

以前「極上の会津」の幟が、突然会津若松の路上に登場した。側には、何と「あったんです。まだ、極上の日本が。」とある。宣伝とは言え、日本には既になくなったようなものが「会津」にあると言ううのだろうか。何十年も、会津で仕事をしており、SYMPATHY さえ感じ始めていた。若干の戸惑いと小恥ずかしさを感じると同時に、いよいよ地方創生に魂を入れるべく、官民一体で本格的に動き出したと思い、秘かな期待を持った。当然、街の有識者等が、現状を憂いて CONCEPTを創ったのなら、いろいろ教えてもらいたいし、熱い話も聞きたかった。然るべきところに、あたってみたが、何ということはなかった。「こんな幟を作りませんか」と業者さんが提案してきたので、まる受け、丸投げしたそうだ。それについて語れる人物は見当たらず、気概をもって、臨んだのに、噛み合わず、意気消沈したことを思い出す。以来、幟がはためいているのを虚しく、苦々しい想いで見つめていた。

その後、他の地方都市でも、同様な幟を2〜3箇所で見ることになる。今更ではあるが、世の中は、虚実取り混ぜて動いて行き、いつの間にか、まことしやかに、虚が実として語られることもあるのだろう。しかしこんなことでいいのだろうかの想いがあり、悶々とした気持ちを引きずって来た。自分は、故郷のない、よそ者ではあるが、何十年もいいところを探してきた積もりだが、中々見つけられなかった。出張先の地方都市でもSTRESSを少しでも解消するために、いいとこだけ見るように勤め、快適空間を利用することが多い。しかし、何と、密かに?  緩やかに?PROJECTが進行していたのを知ることになる。早速、”極上の会津プロジェクト協議会”なるものの  HOME  PAGEを見てみた。今時なので、一応、そつなく纏めてある。会津17市町村5地区の観光、旅、物産、グルメを紹介したり、投稿を勧めるSITEがある。しかし、何故か双方向性を感じられない。一般の会津人、何人にも聞いてみたが、存在を知らないか、聞いたことがある程度なのである。極上とは、特上の上である。お堅いことを言ってしまうが、横並びの案内情報を極上とは言わない。極上の意味の重さを考えて貰いたい。何十年も「極上の会津」の意味を漠然とではあるが、考え、探しており、未だ見つけられない者にとっては、今後も重要な課題だとさえ思っている。

因みに極上の〇〇とは、どんなものがあるだろうか。風景、情趣、EVENT,、歴史、伝統、匠の技、食べ物・土産物他特産の品、〜気質、更に人情味等の分野で、他の追随を許さない、抜群のものではないだろうか。地方の売りといえば、例外なく、手つかずの自然と極めつき付きのお勧めSPOTであり、それを自慢してる地域が数限りなくある。しかし、それだけでは、何度も人を呼ぶことが難しいし、経済効果も乏しい。仕事のついでに、テレビで紹介された山形県の過疎地域にある村の農家RESTAURANTを訪ねた。人気番組で放映したにも関わらず、客は我々夫婦だけであり、4〜5人のSTAFFが、つきっきりでお話をしてくれた。やはり、お客があまり来ず、努力対効果がないのを嘆いていた。恐れ多くも、会津若松に研修旅行に来て、HINTを掴んでみませんかと言った。後戻りのできない今こそ、それぞれが各地域で、特性を生かした上での「極上の〜」探しが求められるのだと思うのである。そのうえで、初めて、「極上の日本」が日本中に、世界に発信されるのだと思っている。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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