マジとリアリー

話をする時や文章を書くとき、外来語やカタカナ等をかなり意識して使うことがある。いまだ慣れないのが「コンセプト」と「マジ」である。前にも話したかもしれないが、ある会社の社長が、いち早く、講演会か何かで覚えてきた「コンセプト」を話の中で連発し、辟易したことがあった。以来、気になり、便利な言葉ではあるが、ほとんど使わない。日本語では、概念に相当するが、堅苦しく、微妙な差異があり、これ又使い難い。「マジ」と言う表現も流行ってから、既に20年くらい経つと思うが、元々年寄り向きの言葉でなく、あまり愉快でない言葉である。やはり、使った人の印象が悪く、以来、聞いて、ザワッとしてしまう。15年以上前、何回か来店していた、北海道から来た30代男性の観光客が、喫茶店のカウンターの前に長時間座り、厨房の人が忙しいのに、大きな声で話しかけ、当時流行ってきた「マジ」を連発し、ひとり盛り上がっていた。看過できず、確か、かなり過激な言葉で諌め、その場の空気が張り詰め、時が止まったようだった。店側にも迷惑をかけた旨の詫びを入れた。その後、彼は、二度と来店しなかった。後にも先にも、こんな自慢できない武勇伝が、三、四度あったが、後味の悪さを引きずるのと、収まらずに、大変な事態になる事を恐れ,以後その場から逃れるなど回避するようになった。

最近、ビールの CMで竹野内 豊さんや長澤 まさみさんが、ニヤリとしながら、リアリー(really)とつぶやいている。この言葉は、何か余裕があり、マジの代わりに使える言葉として、リアリティー(reality)もあり、かなり気に入っている。マジは、直接的であり、間髪を入れずに、直ぐに発しなければならないような、せっかちさを感じるのは自分だけであろうか。
かれこれ20年以上前になるが、お客様にお見せした絵が、あざといと言われた。意味を理解出来ないまま、時が過ぎ、4〜5年前、芸能人の若年女子が、「あざとい」を使い始めた、。当然、訝しく思った。彼女達は、この言葉の意味を理解しているのだろうか。意味を理解していなかったのは、自分であり、大いに反省させられた。いまでは、「あざとい」を売りにした女優、女子アナが持て囃されている。

外来語 等目新しい言葉を使う時は、文脈の中で、その言葉が意味、語感等に於いてフィット(fit)していること、ある程度、流行り、浸透している事も必要である。聞きかじった言葉を消化不良のまま使うと、衒学ぶっているように見え、微妙な空気が流れることがある。自分が長年、使えずにストック(stock)していた言葉を無理なく使えるとホッとするものである。日本語によって、他国などの言語表現も取り入れ、ボキャブラリーが豊富になっており、単に辞書的な表現に留まらず、自分の考えや生き方を捕捉して表現できるのは有り難い。いまを生きる、これと言った術、武器、ツールを持ち合わせていない当方としては、こんなことで生きる証にするしかないのかもしれない。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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