バイトテロを防ぐ手立てはないのだろうか?

人手不足がマンネリ化し、大手企業、公的団体などは別として、、中小の会社、個人経営の店などは、人材の流動化に頭をいためている。当ギャラリーも個人経営ではあるが、例外なく、人材の確保が常に念頭にある。と同時に自分が高齢で健康問題も抱えており、ギャラリーの存続とスタッフ、お客様への責務を鑑み、日々苦慮している。

昨今、バイトテロ等が世間の耳目を集めている。何故そんな事がおきるのか?昔は、経営者、上司、一般社員等が、立場の違いがあっても、等しく、一生懸命働いていた。資本主義社会において、競争、格差はそれなりにあったが、能力、実績、年功等による差異は、ある程度理解されていた。団体による賃金労働争議はあったが、個人的に、暴発するような事案はほとんどなかったと思う。しかも出世争いの為、急行に乗るも、のんびり鈍行で行くも自由であった。然るに、現在は、格差社会が確立しており、生きづらい状況にあり、のんびり等してられない。働く人にとっても自分が希望する職場が見つからず、嫌々仕事をしているケースが多いようだ。上司が天下りの指定席で高給を食んでいるのに、仕事をほとんどしない、又苦労人の経営者が自分と同じように這い上がって来いみたいに考えている職場等もある。そのくせ労働条件が過酷で、賃金が安く、上役と同じ責任を持たされる。時には、パートが組み込まれ、ベテラン並みの仕事を任される。夢も希望も持ちにくい時代である。表面は穏やかで、何も問題が無いように見える職場でも、裏では、鬱積した不満がストレスになり、いつ暴発するかわからない。最も働き手の方も問題を抱えている。自由気ままで責任感がなかったり、忍耐力が乏しかったり、腰掛けぐらいにしか考えていないことも多い 。更にバイトテロ動画の投稿者周辺の人達、拡散させた人達も面白がっていたと言う。不適正動画を削除する動きもあり、被害者が多額の損害賠償を請求するそうだ。一罰百戒のペナルティを課しても、根本的な問題をを解決しなければ、はけ口から別の形でストレスを噴出させるかもしれない。

お互いに、少しでも ストレスを減らし、暮らしやすい世の中を作るには、経営者が手を差し伸べ、我慢するしかない。働き手が、やる気を出したり実績を残したら、成功報酬を出すなどして、伸びてる会社もあるだろう。しかしこれも競争、格差社会を助長する場合がある。ヘッドハンティングするも、一般採用するも、縁あって来てもらったのだから、人は大事にしなければならない。世間並みは、あたりまえ、人を使い捨てにする等はもっての外。自分が、過去、つらい思いをしたり、不遇であったら尚更のこと。積極的に人と関わり、先行投資し、他に先がけ、より良い職場環境を作らなくてはならないと思う。人材は、文字通り「人財」になり得る。そんな思いで人に接したら、バイトテロ等は最小限に抑え込めるのではないだろうか。注目している職場がある。東京、新宿3丁目にある、モナリザもびっくり!のキャッチコピーで知られる「世界堂」である。額縁、文具、関連お洒落なグッズ等を扱っており、人がいつも溢れている。いつでも誰でも、お客様への対応が完璧なのだ。距離感がいい!流行っている店にありがちな、奢った態度、やらされている感がない。知らん顔等しない。ハキハキしている。勿論、特定のお客に対して上客扱いもしない。しかも平等で親切ときている。ある時、そっと尋ねてみた。「給料、いっぱい貰っているんですね!」2〜3の人にである。答えは、否定することなく含みを持たせ、イエスに近かった。職場環境が良ければ、お客の対応に反映されるのは道理。品物がよくて、気持ちのいい買い物ができればリピーターが増えるのも自明の理。勝ち組、負け組等の競争、格差社会が連綿と続く悪弊をどこかで断ち切らなければ、未来の共生社会は有り得ない。身近なところから始めるしかない!

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