妻のトリセツに反しないのは当然の事、更に一歩まえへ!

知人の男性から、ある相談を受けた。今は、子供二人が独立して、夫婦二人とも五十代で、勤め人。これから悠々自適のはずだが、自由がなくストレスが溜まっていると言う。男性は、どちらかというと、優男で、瘦せぎす。奥さんは、しっかり者で、情が深いそうだ。男性から声をかけたが、その後、奥さん主導で事が運び、現在に至っている。彼は、自分の意志がないかのごとく、奥さんの言いなりになり、一見穏やかに時が過ぎたが、ある時、関白宣言をし、嫌なことは、嫌、自分の意志を通すことにしたそうだ。それからというもの、諍いが絶え無いし、今まで以上に奥さんが、干渉を強めてくるそうだ。勤め先の人間関係、誰とどんな話をしたかなど、直接関係ないことまで、詳細に聞き、それに応えないと機嫌が悪くなり、無風状態は、共通のテレビ視聴くらい。自分の居場所が少なく、このままでは、もたないとはなす。

一般的にはどうであろうか。歳ばかり食って、経験値の低い私だが、自分の居場所がないと感じているCOUPLEは意外に多いのではないだろうか。他の夫婦の人間関係まで熟知してないが、それなりに観察はしてきたつもりである。先ず、どちらが主導しているかが気になる。A,今は、少なくなったと思うが、男性がリーダーシップを取り、女性はあまり意見を言わず、追随しているケース。飲食する場合も、男性が奥 、女性が手前に座っている。B,逆に女性が喋り、決め事をし、男性は、気を使ってか、余計なことは言わない。女性が奥、男性が手前に座る場合が多い。C,二人して、十分に意見を交換し、意志の疎通をはかっている等、大体、男性上位型、女性上位型、男女共同型に分類できるのではないだろうか。しかし、実際にはこれらが更にいくつものパターンに分かれ、同じパターンでも人により良し悪しを正反対に感じたり、幸せのあり方も一様ではないし、これといった正解もない。

私は、だらしないし、何事もテキパキと処理出来ず、ギリギリまで、先延ばしする事が多い。結果としては、正しい判断ができる事が多い?そのくせ、相手が「暖簾に腕押し」であると、脱力感で、がっかりする。勤め人時代、ささやかな役職についた時も、調整型で、比較的自由に泳いでもらったような気がする。家庭でも、どちらかが主導するか等どうでもよく、譲れるものは、出来るだけ譲る主義である。その方が上手くいくと思っている。食べもの、諸々の買い物、行きたい場所、見聞きしたいもの、テレビ視聴等、相手が望めばすべて合わせられるし、苦痛ではないし、楽しんでいる。むしろ、嫌々でなく、先取りしている。但し譲れないことや守るべきものはある。仕事の関係、IDENTETY。センスのいい方ではないかもしれないが、下着以外の着るもの、後は喫茶に行くこと位。それもなるべく波風を立てぬよう、気をつけてはいる。チャンスがあったら、ささやかなことを体験し充足感に浸る。そんな日常で、ほぼ満足している。ご夫婦の場合でも、夫唱婦随、婦唱夫髄が度を過ぎれば、相手の方が気の毒に見えてくる。どうせ相手の意向に合わせるなら、水先案内人のつもりで、積極的な奉仕をし、喜んでもらう事を楽しめば、自分にも人にも景色が変わって見えると思う。関白宣言などせずに、すべてを承知した上で、リーダーシップを取る。しかし大事な実を密かに守る。こんな生き方もいいのではないだろうか。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

伊藤武をフォローする
雑感
シェアする
伊藤武をフォローする
いとたけのブログ

コメント