こんな、爽やかな日本人を見ていたい

NHKのTV「SWITCH インタビュー 達人達」で、女優の早霧(さぎり)せいなさんとSPORTS JOURNALIST の増田明美さんの対談番組を一昨年、見たにも関わらず、お二人のお人柄が素晴らしかったので、また、再放送で見てしまった。
増田明美さんは、元マラソンRUNNER。OLYMPICその他のBIG RACEで、期待されたにもかかわらず、途中棄権し誹謗中傷される等挫折を経て、市民RUNNERの暖かい激励を受け、精神的な復活を果たした。その後、辛い経験をバネに後進を指導するなど、素晴らしい人生を歩んでおられる。1992年に引退され、十数年前、マラソンの解説を聞き、驚愕した。透明感があり、明るく、爽やかで、心にわだかまりがなく、人に優しいのである。以前の印象とは、かなり違っており、彼女に何が起こったのか興味があった。マラソンは、長丁場で、BIG RACEでも何かをしながら見るのが常であったが、彼女の解説を聞いていると、ATHLETEの人間像やその背景まで見えてくる。その後、何回か、TVで拝見したことがあり、解説の時も、丁寧でわかりやすいし、取材した選手達の裏表、趣味等を優しく流れるように語り、RESPECTしているのがよくわかる。朝ドラ「ひよっこ」のNARRATORも淡々とこなし、梅沢富美男さんとの軽トラのCMも楽しかった。大学でも教鞭をとっているという。今後も増田明美さんから目がはなせない。

宝塚歌劇団に、少女から若い女性、ひいては、老年に至るまで、夢中になるのには、魅力ある、男役のTOP STARの存在が欠かせない。かって数々のSTAR を輩出した。天津乙女・春日野八千代・明石照子・鳳 蘭・真矢みき・天海祐希さん達。いずれも、当然のことながら、男臭さがなく、男っぽさにどう磨きをかけるかが勝負であっただろう。若い頃、私の母親、姉、娘三代に渡って宝塚に夢中になっていた時期があり、一度だけ、姪(姉の娘)のおもり役で、東京宝塚劇場に足を運んだことがあった。男性は、見当たらず、大変恥ずかしい思いをした。早霧せいなさんは、宝塚で雪組、男役のTOP  STARを永きにわたり勤め、2017年退団、意を決し、女優業に挑戦したそうだ。宝塚の男役で、天海祐希さん以来、久々の大物女優の感がある。男役をこなしてきたせいか、男性の所作が、つい出てしまい、困っていると言う。MUSICALでは、歌のうまさと相まって、快活な女性を全身で表現しており、違和感なく楽しめそうだ。長身であっても、かっこよく、気負いもなく、謙虚さと可愛げのあるところが垣間見える。真摯な姿を見ていると応援したくなる。幸多きことを願い、成功されることを信じている。

かつて、評論家の故、大宅壮一さんが、垂れ流しのTVばかり見ていて、ものを考えないと、国民が総白痴化すると言ったが、自分は、TV大好き人間かもしれないし、かなり刺激をもらっている。世の動きや人の言動を見ていても、少しは、表面だけでなく、見えない部分も推察したり、考えられるようになったと思う。しかし、40代くらい迄の人は、SNSに精通しており、ほとんどTVを見ないようだ。ここ10年で、世の中は、様変わりするはずである。長く生きたからといって、同時代を生きた人がいなければ、話し相手がいないし、尊重されることはないだろう。又、多少の物知りがいたとしても、重宝されることもないだろう。更に、若い世代同士だからといって、仲良く出来る保障もない。

つまり、このままだと、行き着く先は、一部の人間同士を除いては、別種の人間という生き者にしか映らないし、そんなの関係ないとなるのだろう。今でも、当惑することが多いのに、この先、そんな世になったら、経済的に余裕があったとしても、人と絡むことがなく、不安と虚しさを抱えながら、孤立して生きていくことになる。子供の頃から、友達を作れず、群には、入れず、生きてきた者として、遅ればせながら、もっと人を理解したい気持ちがより強くなった。何か、秀でたものがあれば、人は、頼まなくても集まってくることもあるが、これと言って取り柄がない者は、いろいろなことに興味を持ち、とりわけ、人の生き方を学び、接点を探すしかない。NET ・TVを含め、マスコミ等や人からの話で、気になった事や我々が励まされる生き方をしている人の話を発信し、共感が得られ、人と繋がっていければいいと思う。最近、恐れ多くも、敷居は高いが,振り向いてくれる若い世代にも、勇気を持って、直接声をかけるなど一歩踏み出したし、WINGを広げたいと思っている。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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