うまいなあ……しかし

何周もまわっていたかもしれないが、先日、木村拓哉主演の劇場版「HERO」を見た。

よく出来たドラマで、俳優陣の好演でそれなりに面白かったが、シリアスさに欠け喜劇にさえ見えたのは私だけなのだろうか。

現在、時を経て、同じ監督、スタッフ俳優陣で東野圭吾の「マスカレードホテル」を上演中。見てみたいものだ。

NHKの「まんぷく」も途中から見ているが、話の筋もよくできており毎日見てしまう。これまた各俳優が上手過ぎるくらいの演技をこなしている。

しかし何かが違うのだ。

遥か昔になるかもしれないが、老いも若きも一緒にみて、それぞれ何かを感じ、共有するなどし、余韻さえ残ったドラマが多々あった気がする。

国民が等しく豊かでない時代は、俳優さんたちも、その役にすがりつき、乗り移ったように演じ切り、我々もその役柄と俳優の演技にのめり込んだものだ。

ちょっと前になるが俳優、香川照之が、大石内蔵助の遺児(女児)の守り役で脇役出演した時代ドラマでの演技は圧巻であった。

主役を脇役が喰ってしまったのだ。

長年月、艱難辛苦を耐え抜き、歴史の裏方役を愚直にも信念を以って坦々と過ごした生き様を目の当たり見せられ、名もなく日が当たらない人生でも、それなりの役割があり、清々しささえ覚えたものだった。。

彼の一挙手一投足を画面を通じそれこそ息を飲んでみていた。当時その感動の嵐を人に喋らずにはいられなかった。

人は、そんなこんな、「うまい、素晴らしい等」を拾い集めて、明日は変わろう!とし、希望、夢に織り込んでいくのではないでしょうか。

自分が感動を与えられなくても、せめて伝えることにより、モチベーションを高め、想いを共有できたらいいなと思います。

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