お勘定の後払い、先払い事情

飲食業等の勘定は、後払い、先払い両方があるが、業態によりどちらでもしょうがないと思っている。人手不足等もあり、時代の趨勢としては、先払いがもっと増えてくるはずだ。接客業でもあるので、客が来店してから帰るまでの配慮が必要であり、満足して店を後にしたいものだ。

比較的安い店がかなり繁盛している場合、往々にして自販機の利用や前払いが多い。奢りからであろうか、勘定が済み、ORDERの品を出してしまえば、それで終わりみたいな店が多い。帰る客に対する気配りや挨拶をしなかったり、お座なりなのは、いただけない。先払いだと、接点が無くなる。後払いは、客が本音を漏らし易い。STAFF に取って張り合いがあるし、何が良くて何が悪かったか理解ができ、反省の材料にもなる。先払いでも気配り上手の店はSUTABAである。同業他社と比べ、多少値段が高いが、応対が完璧だと思う。外国資本なのに、余程、日本の文化、習慣等を研究したのだろうか?やはり、断トツに伸びている。

牛丼の吉野家に久しぶりに入ったが、先払いにしてもよさそうだが、後払いで、MANUEL通りこなしていた。この種の牛丼CHAIN 店の先駆けであり、やっとここにたどり着いた客から、先に金をむしり取らないところに、優しさを感じる。

吉野家の牛丼

この後、各人が戦場に散って行くのだが、食べる物の価格差が少なく、皆平等なので、つかの間だが居心地がいいと思う。しかも肩肘張った客がいない。いろいろの立場の人間が入店するが違和感もない。以前、銀座店で、DOUBLEで仕立ての良さそうな背広を着た紳士がいたが、特別、意識過剰でもなかった。余裕のある?その時でも、こういう安くて美味しい店に何の気兼ねもなく入れるのだから素晴らしい。近頃では、女性一人客も来店しているようだ。中島みゆきさんの「狼になりたい」でも、朝方の吉野家の風景を歌にしている。自信なげな若者と、自嘲気味の親父に、狼になれと激を飛ばしているようだ。吉野家は、何か庶民に優しい溜まり場のような 食堂であり、たまには、そんな気持ちを味わいたくて、入ってみる。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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