人間動物園が面白い?

久しぶりに、東京、JR目黒駅そばの「とんかつとんき」で食事をした。順番待ちの10数人がおり、コノ字型で横長のCOUNTERに30数人が一同に並んでいた。二階でも10数人が食事をしていたはずだ。内側では、7〜8人の職人集団が役割分担の下、人間ROBOTの如く、整然と、流れるように仕事をこなしていた。いつもどおり壮観で清々しい景色であった。人間を自動化し、意志の徹底をはかっているかのようで、外国人が見たら、食の WONDERLAND に来たかと!?喜んでくれるのではないだろうか。以前から何十回も来ており、今回も、衣が薄く肉厚で美味なひれ肉のとんかつを注文した。席数が多く、回転も早いので、入ってから40〜50分ほどで店を後にした。

食事だけでなく、興味があったのは、働く人の無駄のない俊敏な美しい動きと客の腰から上のPERFORMANCEである。特に顔、顔、顔のON PARADEである。これ程多くの顔を誰に気兼ねすることなく、至近距離から眺められることは皆無である。しかも、美味しい食事を前に 緊張することなく皆、RELAXしている。正に人間動物園を見ているようで、面白い。しかし他人から顔をじっと見られるのは好まないと思うし、興味はあっても顔の観察はしずらいものだ。自分も衆人に顔を晒すことになるが、街を歩いている時のように他人だからなんとも思はない。食事が提供されるまでの時間は、退屈するどころでなく、瞬く間に過ぎる。TOTALで、いい時間を過ごせるし、お勧めのSPOTである。

顔は人の歴史の一部分を体現しているし、大多数の人は、その印象によって、先入観を抱くはずである。話をしたり、TVで視聴すると、より理解が深まったり、逆に意外な面を発見することがある。最近、来店されたお客様が、舞踏家で俳優の田中泯さん似の武道家の趣があったので、恐る恐る話してみたが、普通の勤めを終えた方であり話しやすかった。そのGAPが不思議でもあり、次回もどんな話が聞けるか楽しみだ。又二人の俳優が直近の DRAMAで好演し、以前抱いていた印象が払拭された。一人は、何か暗い業のようなものを引きずっており、演じる度に気になったが、今回は、憑き物が落ちたかのように、身の丈にあった役どころで、ほっとさせられている。もう一人は、気が弱そうなのに、妙に明るく、違和感があったが、これ又人のいい、慎ましやかな青年を演じ、親しみを感じた。二人の今後に目が離せない。そんな訳で、人間の顔と言行が一致していたり、不一致であるのを、話をしたり、見たり、聞いたりしながら補正していくのも面白いものだ。この世にはまだまだ、未練が一杯である。毎日、何となく、予定のないSCHEDULEを過ごすが、昨日とは違う今日である。それなりに満足しているが、際立って違う非日常が加わったり、体験したら、人に話さずにはいられないと思う。まだ見ぬ景色を求めて止まない。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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