知り合い以上友達未満

男女の仲を尋ねられ、「友達以上恋人未満」と答えれば、それ以上追求されなくて済む、便利な言葉だと思う。自他共に、そういう立ち位置は、実際、心地いいのかもしれない。仮に、片思いであっても、一向に構わない。そんなに気が合う人が何人かいればこの世は、PARADISE?しかし、そもそも男女間で友達関係は、成り立たないとも言われてきた。それなら一層の事、「知り合い以上友達未満」等と言い抜けるのは、どうだろうか。

幼い頃から、今日まで、人は、生まれながの環境、境遇、能力差、差別、更には、自身の不甲斐なさ等に自信をなくし、憤り、反発し、諦め、引きこもったりしながら生きてきたことも多いと思う。しかし、最近、貧乏・借金・GAMBLE依存・ヤンキー、ガン黒 だった・DVされていた・暗かった・虐められていた・人と交わる事が苦手・友達がいなかった・劣等感等の過去から脱皮したり、負債、怨念を克服し、活躍している芸能人等が珍重される時代になったような気がする。過去が現在の成功という勲章をより際立たせているのかもしれない。しかも時には、現在進行系でありながら、本人だけでなく、周囲も気にしない場合もある。それだけ、多様性を許容できる時代になったのは、歓迎すべきである。現在、悩んでいる幼少菁年等がどれほど勇気づけられることであろうか。

翻って自分は、現在でも過去の負債を背負っている人間であるが、そのうちの一つが友達がいない事である。仲の良い人達を見ると羨ましい限りである。今更の感もしなくはないが、「知り合い以上友達未満」の交流であれば、まだ間に合うし、気楽である。自分が、長いこと住んだ処、暮らしている場所では、自分に問題があるのかも知れないが、それも叶わない。むしろ別の町では、少しでも波長の合う人と出会うと、それなりに親しくなり、AWAYを感じる事がないし、むしろ楽しい。TV朝日の土曜、午後6時の「人生の楽園」を思い出した。RETIREした夫婦が、未知の土地で、新たな出逢いと生き甲斐を満喫しているのを紹介する番組である。過去に胡座をかかずに、しがらみから解放され、謙虚な姿勢と旺盛な好奇心で住人に接し、COMMUNITY の仲間入りを果たし、嬉々として、日常を過ごしているのを見るとホッとする。こんな偉大な挑戦は、望むべくもないが、自分が他処に感じる親しみ易さも、志向しているものが同根だからかも知れない。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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