高知県の最南西端の景勝地・足摺岬の近くまで何しに行くか?

往時、私は営業、仕入れの為、年に4回以上各2〜3週間出張していた。そんな最中、疲労やストレスの為、いっぱいいっぱいに成ることがある。自営業は有難いものだ。調節し、休息を取っても困る人、文句を言う人は誰もいない。今はギャラリーを開き、出張の回数も減り、なかなか自由にはならないが、時間が取れれば、映画を見たり、何処か行きたいところに行く。その場合、絶対条件がある。絶品の食べ物があることである。嗅覚が優れているのかな?何故か見つかるのだ。
いつも念頭にあるのは、自分が絶対美味しいと感じるものを人にも知らせたい!

北海道、名古屋、京都、大阪、神戸、九州はその地に出向く。東京近郊及び東日本は会津若松をベースにする。西日本各地でも拠点を見つけるようにしている。岡山県の岡山市、広島県の尾道市、福山市から山口県、島根県、鳥取県等へ。愛媛県の今治市、松山市から四国全土へ足を伸ばす。

四国で、仕事が嫌になり、このまま続けていれば、取り返しのつかない病を発症すると感じた時、思い切ってオフを取ることがある。そんな時、決まって向かうのが高知県土佐清水市である。高知自動車道、松山自動車道の終点からも時間がかかる辺鄙な場所にある。近くには足摺岬があるが、寂しい観光地?である。丸一日もかかる所に何故出向くのか?呼ばれているかもしれない。よく行くルートは愛媛県宇和島から山越えで仁淀川、四万十川沿いを走るのだが、宮尾登美子の「仁淀川」を思い出したり、坂本龍馬が脱藩し山越えした道を逆に走っているのかもと思ったりしながら楽しんでいる。途中道路沿いで、  時季によって清流育ちで香り豊かな、焼きたての鮎を頰ばったり、途中の四万十市でも天然物と新仔のうなぎ(とりわけ成長の早い養殖うなぎ)を半分ずつ食べ比べをするなど、美味いものがいっぱいある。一日3〜4回食事をするようなものだ。

肝心な目的地は、土佐清水さかなセンター・足摺黒潮市場である。ここの鯖の刺身は、まさに逸品である。朝早めに連絡して、ごま鯖が釣れているかを確かめて、遅くても2時までに行かないと食べられない完全予約制である。こうなると仕事どころではない!ひたすら間に合わせるために走るのみ。黒潮の流れが速く、餌が豊富で脂がのっている。DHA,EPAの宝庫である。身が締まり、歯ごたえがあり、臭みもなく、特に秋から冬にかけての鯖は鮪のトロよりおいしいのではないだろうか。このルートを開拓した事により、憂鬱病はいつでも治せるので有難い。しかしあくまでも仕事ありきで、遊びに行っているわけではない。心身の疲労を回復したり、付録として仕事についてくるのだと自覚している。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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