斎藤清木版画の贋作が…?

以前から斎藤清木版画の贋作がネット上、その他で話題になっています。

有名だから、価値があるから、売れるから、作られるのだと思われます。しかしせっかく購入した作品が、偽物だったらどうでしょうか。落ち込んだり、腹立たしく、仮に返金されたとしても、いやな想いが後々まで尾をひきます。プロやコレクターでも真贋を見分けるのは至難なことです。どう対処したらよいのでしょうか。

骨董業界では、本物だと明確に言われずに買った場合、購入者の自己責任とする習わしがあると聞いています。画廊で購入してもそんなことがあったら、いったい誰を、何を信じて買ったらいいか、わからなくなります。我々も心してこの問題を直視しなくてはなりません。

実は、当方でも最近、二点ほど水際で贋作と断定し、事無きを得ました。一点は店に持ち込まれたもの。もう一点はお客様が他店で買ったもの。「只見川 会津柳津 1979」…中版、「只見川  会津柳津 1980」…大判です。いずれも真作を模して木版画を作り、刷ったシートに色を加筆し、限りなく本物に似せているようです。実に巧妙で少し離れたところから見ると、わかりにくいのです。しかしサイン、落款、不自然な色むら、紙質が明らかに違います。

高価な買い物ですから、お客様もよく吟味し購入されるようお薦めします。更に代金を払う際、必ず領収書を貰い、但し書きのところに、例えば、斎藤清(木)版画代 、「只見川 会津柳津 1980」等と記入してもらうことです。

贋作であった場合、返金の責任を取って貰えるでしょう。日頃から、出来るだけ斎藤清美術館、取り扱い画廊に足を運び、数多くの作品を見る事です。「何か違う?」等、ピンとくるはずです。

又自信がなかったり、今ひとつ相手方に信頼が置けない場合、斎藤清の作品を扱っている画廊等にセカンドオピニオンとして意見を聞くのもいいでしょう。購入者が慎重になり、画廊に危機感が生まれ、厳正に対処すれば斎藤清版画の贋作も流通しなくなると思います。

関係各位の真摯な態度と、行動が必要となります。是非ご協力をお願いするしだいです。

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