お笑いモンスターが何時迄も餌食にされていて、いいのだろうか

生涯現役を掲げる?明石家さんまさんが、還暦を迎えた。相変わらず、いじり、いじられを笑いに変える能力は、卓越している。反応しなかったり、上手くいかなかった時等、マジ顔になり、相手の方が、当惑し、迷惑に感じ、すべったりして、恐怖心を抱く事もあるかもしれない。従って、視聴者の評価、好みも様々だと思う。しかし、本人が常々言っている様に、その場は、常に戦場であり、一つのバラエティ(variety)番組を作品化しているようなものだと思う。出演者は、それなりの覚悟と準備も必要なのかもしれない。

さんまさんが出演し、現在、オンエアー(OnAir)され、レギュラー(regular)化しているのは、「さんま御殿」「ホンマでっか」「さんまのお笑い向上委員会」「明石家電視台」など。「さんまのスーパーからくりテレビ」「明石家紅白」「さんまのまんま」「さんタク」、その他数々の特番などは、年一回程度放映している。いずれも一部を除いて、いじり芸の真骨頂が伝わってくる。若い頃から、人と絡んで、お互いに面白さを競いながら演出してきたが、いつの頃からか、人をいじり、いじられ、それを善意の笑いに変え、更に自らをいじる芸を確立した。仔細に観察すれば、その際、人を辱めたり貶める意図のない事がわかる筈だ。人のアホさ加減、天然なところ、面白いところ、変わった癖、オタク的な趣味、以外な真面目さ、意外性等、鎧を着た虚像?から、愛すべき実像をも引き出すことにより、出演した人達が、その後、ブレイク(break)していることが多いのが、何よりの証左である。高名な方でも、容赦せず、俎上に載せて料理する。さんまさんが、振ったり、ツッコミを入れ、アシスト(assist)する事に素直に身を委ねれば、いい作品になることだろう。

明石家さんまさん。これ程、芸能文化、話芸等に貢献し、多くの人を生かし、楽しませてきた人は少ない。しかし、最近では、ベテラン(veteran)、新人の売れっ子芸人の区別なく、さんまさんをイジってくる。それに対し、受け流したり、放置するどころか、むしろ歓迎し、一緒に楽しんでいるかのようである。しかし、私には、この偉大なレジェンド(legend)が喰い物にされて、痩せ細っていくように感じられ、寂しい。このままズーッと生涯現役で突っ走って行き、使い捨てのお笑いモンスター(monster)に終始させるのであろうか。突然健康を害し、病に倒れたり、不幸に見舞われ、実績を振り返っても始まらない。ここらで、一旦立ち止まり、さんまさんの業績をしっかり検証して、再認識する必要があると思う。無冠の、芸能界の帝王は、むしろ、マスコミが取り上げる、年齢に関係なく、各種、凄まじい実績のある人等を紹介するNHKの「スイッチインタビユー」TBSテレビの「情熱大陸」等の拡大版で取り上げるのが相応しいかもしれない。しかし、これらの枠に収まらないのが明石家さんまさんである。やはり文化的視点で、さんまさんの軌跡を辿る大型企画の特集等の実現を期待したい。

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