BRANDは輝き続ける?

都会と地方、様々な所に行くが、いまでも同窓会的なCOMMUNITY がBRAND として通用するのを実感する事がある。日本中どこでも、郷土意識、仲間意識があり、出身校、部活、地域の友人知人、仕事仲間、その他趣味の集い等、何処かのGROUPに所属している人が多い。無所属の自分としては、何とも羨ましいし、寂しい限り。

以前から付き合いがあり、時折、自分が扱っている品物を見せたり、上から目線で世間話をする70歳位の知人がいるが、頭がいいし、話もうまい。その上、憎めない面白キャラである、地元の進学校から大学に行き、準大手の会社にもいたことがある。20〜30年来、忘れた頃に現れるのだが、いつも陽気で、一定時間喋るが、羽振りが良さそうな様子はなかった。しかし先日、会った時には、何かご機嫌であり、仕事も順調との事だった。めげずに頑張っていたので、そのうち、いい報告があるとは思っていた。仕事に恵まれない、同郷の高齢女性職人が作る匠の品を見出し、5年位前から出席していた東京の県人会のCONNECTIONを生かし、同窓生の知恵も借り、商品開発と販路開発に繋げ、デパートの展示即売も大成功との事。やはり、結束の硬い、同郷の士、同窓生仲間は、立派なBRANDである。先日、テレビで鹿児島出身の人が、同窓生について語っていた。信頼できる仲間内で無尽をやっているが、中には金を借用し、会に顔を出さず迷惑をかけているが、いつのまにか、普通の顔をして、混ざっており、皆も許し入れているそうだ。皆が個人に対し、株主みたいなもので、信頼の絆で結ばれており、余裕を感じさせる。片や、その土地の名門女子高出身で数々の要職に就いた、高齢OGが、母校が普通科になり、伝統とかっての実績が継承できず、その凋落ぶりを嘆いていた。しかし彼女の孫には、別の中高一貫校に進学させ、見事、名門国立大学に行かせた。80台半ば過ぎの高齢にもかかわらず、機を見るに敏なのは流石。

伝統と実績にしがみつかず、新しいものを育てていくことも大事ではあるが、地域の人脈によるBRANDが輝きを失っていくのは寂しい気がする。例え、井の中の蛙集団であっても、帰着すれば、ほっとできる、そんなCOMMUNITYがまだあるのは、素晴らしい事。もし無くなったら、地方は都会に人材を輩出するだけになり、更に衰退してしまう。自分を含め、多数の人が、そんな拠り所を持たずに暮らしている。是非、地域のBRANDになり得る人脈やGROUP を大事にして、いつまでも輝き続けてほしいものだ。

この記事を書いた人
伊藤武

斎藤清の出生地、会津で斎藤清版画ギャラリー「イトー美術」を運営している、いとたけ こと伊藤武です。
http://itobi.sakura.ne.jp/

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