20年以上前、気になったシェフは、會津バルにいた!

昔、会津若松、大町の交差点にあった地下の店、「スイング、スクエア」にその人、須佐 照男さんがいた。本格的な料理ではなかったが、何かセンスの良さが散見され、少し酒も飲み、ご機嫌な夕食になった。決して流行っているとは言えなかったが、遠からず、徐々に客が増えてくると期待していた。何回か通い、楽しみにしていたのだが、突然、彼がいなくなったのだ。消息を尋ねたが、分からず、時々思い出す程度であった。先月偶然、同じ場所にあるCAFE「大正館」で珈琲を飲んでいたのだ。盗み見をしながら、確かめた。私より、二十才ほど若いが、皺の数も増え、その後の苦労も感じられたが、昔の面影が残っており、嬉しかった。早速、仕事をしている店に行ってみることにした。

大正館から神明通り方向に20〜30メートル歩き、同じ並びに(スペイン酒場)會津バルがある。以前一度、行ったことがあったが、その時は、こんなものだ程度の印象だった。彼がいるとなると、俄然親しみが湧いて来た。評判と繁盛ぶりを聞き、やっぱりな、そうだよなと勝手に思った。昼のランチは、パスタ、肉料理、魚料理の三種類。いずれも前菜、スイーツ、飲み物がつき、950円〜1200円。リーズナブルな価格である。しかも美味しいし、点数が高い。誰にでも気軽に行ってもらえそうな店である。夜はパエリア等他の料理と手頃な料理に合わせたワインなどが加わる。夜の賑わいも想像できる。外食をしたり、お客様を紹介する場合、お薦めの和洋中華等の店が少ないので、有難い。

會津バルは、平成27年4月にオープンした。今の店長、足立 浩二さんは大阪出身で会津大学に通っている頃、他の飲食店のアルバイトを経て、間もなく参加し現在に至る。キリッとした顔に品の良さと、フレンドリーさも漂う30代半ばの男前。以前勤めたレストラン店長の人柄とお客様への対応が素晴らしく、楽しく、意義ある仕事だと思い、この道を歩むことになったそうだ。調理スタッフの作った料理とお客様をつなぐ空間を支配する大事な役どころである。美味しいものを介して、暖かさと優しさが伝わるよう、最善の注意を払っている。須佐さんは会津の竹田病院近くで25年ほど営業したフランス料理店「ヒラノズ」に15年ほどいたが、3年くらい前、同店に加わった調理部門の責任者。店長、各スタッフがお客さまを巻き込み、試行錯誤を繰り返し、メニューを進化させている。最近では、かなり手応えを感じていると言う。こんな店は地元に根付くし、観光客も安心してくつろげる。何よりスタッフがビビッドなのがいいし、今後楽しみである。

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