知名度のある会社の優秀な営業マンと知り合いになった。三十代後半、独身貴族、男前で、180センチ程あり、仕事が出来、インテリタイプで、そつも無く、誠実で快活にして、前途洋々に見える。しかも、絵を書くことが趣味で、ITにも強い。最強の男性である。しかし、結婚話がなかなかまとまらないのである。大きなお世話かもしれないし、多分、本人が拘って、選び抜いているのだろう。行きつけのお店のオーナー等が心配してヤキモキしている。私にも話が届いたので、モテなかった男が、自分への反省と、追体験をする様な気持ちで認めてみた。
私は、青年時代を遥かに通り過ぎても、これといった、秀でたもの、個性がなく、趣味、興味の対象も見つからなかったので、自分のことには触れず、相手に合わせ、話を聞くことしか出来なかった。それでも営業の仕事では、成績もかなり上がっていたし、自営業を始めてからも順調だった。私生活でも、ベースは変わらなかったので、話しを聞いてもらいたい人間にとっては、重宝だったのかもしれない。しかし、何かを求めて、交流をはかる人に対しては、生活に彩りがなく、会社や仕事の話題で終始するのみなので、当然、交流は、広がらなかった。対女性には、合わせるだけでは、ボロが出ると思い、相手にとって興味のない仕事や会社の事を、饒舌に延々と話すしかなかった。当然、愛想尽かれされ、失意の底に沈む事も何度かあった。その反面、職業上のノリの良さも多少身につけ、相手に合わせ、柄にもない、ジャズ好きを装って、正面突破を計ったこともあった。今思うに、彼我の事を、ない交ぜに話すのがベターだが、仕事の話を一方的にするよりは、、相手をリスペクトし、次々に話題を変える事なく、興味、関心のある事を引き出し、丁寧に話を聞くだけでも相手に安心感を与え、自分も変われたであろうし、その後の展開も違っていたかもしれない。
Aさんに関しては、完璧すぎて近寄り難い印象を相手に与えるのだろう。仕事以外の、夢、趣味、関心事等で、話しが共有出来れば良いのだが、仕事が出来、成績も上がり、経済的にも恵まれている状況で、相手に信頼してもらい、安心して貰う積もりが、逆に気配りのできない、独りよがりの男性と思われるかもしれない。相手の方に、興味、関心があれば、自分のの事を棚上げしてでも、失礼にならないように、知りたい、聞きたい意欲を示さねばならない。
第一印象で、お互いの関係性が、決まってくるのだが、それでも、あまい、軽い気持ちで移行すると、義務感さえ生じてくる。その場合は、きっぱり、ジ・エンドにした方がお互いの為。上から目線で?品定めをしあっていたり、男性が、下手に出ないで、上手く行くはずがない。今の時代、適度なリーダーシップは必要だが、相手の立場も重んじなければ上手く行くはずがない。過去や未来の出逢いをあれこれと慮る事なく、その時点で、いいと思ったら、全力で行くしかない。自分の熱意で、相手が更にバージョンアップするかもしれない。そのうえで、キザにも思える言葉など、言ってみるのは、どうだろう。「貴方に会う為に、今日まで一人、生きてきた」彼女が、キラキラ輝いてくるに違いない。今に賭けるか、次の機会に捲土重来を期すかは、貴方次第。いい知らせを待っています。
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